ゴキブリが襲いに来るという被害妄想について

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 おはようございます。今回は卒論の内容を一部公開して、一記事済ませようという魂胆で描いていきます。(時間がないので)

 

 さて、ゴキブリに関してなのですが、「ゴキブリが具体的に人間に加える危害」という点について、書いていきます。(見た目がキモいとか、精神的な危害などではなく、具体的な報告例をもとにしています)

 

ゴキブリが「襲ってくる」という恐怖感について考えたい。

 

 まずは体験談として、私はゴキブリに襲われた経験はない。屋内に出てきたゴキブリを多少無理やり素手で捕まえても一度も噛まれたことはない。

 

 むしろ逃げられないように追いかけることで精一杯である。

 

 個人的 に飼育している家屋性のゴキブリ(トルキスタンローチ)や森林性のゴキブリ(アルゼンチ ンフォレストローチ)もハンドリングの際に噛まれることもなければ、威嚇すらされない。

 

 しかし、直接人間に噛み付く被害もある。以下、辻(2016)引用。

 

顔面についた食べ物を食べ、顔に水ぶくれが生じたり(Hasselt,1865)、眠っている船員の皮膚(たこ、うおのめ)、指の爪、まつげを噛んだり(Heiser,1936) の古い報告のほか、多くの例がある(Roth & Wills,1957)食べ物による汚れなど、匂いや味が直接的な噛みつき行動に結びついていることは明らかだ。だから眠っている乳児も危険である。人間ではないが、動物園のゾウガメの甲羅の 下に多数のゴキブリが棲み着いて加害した例も述べられている(石井、1976)。 (p140~141)

 

 これらの報告例を参考にすると、ゴキブリはただ闇雲に被害を加えようとしているわけではないことがわかる。むしろ食料がたまたま顔面にあっただけで、一方的に被害を訴えるの はフェアじゃない。

 

 さらに、上記の報告例はいずれも海外で、かなり古い。現代の日本でゴキブリに噛まれるなどという報告例など極めて稀で、もし、そういった経験があるなら詳しく聞かせてほしいくらいである。(貴重な報告例になりそう)

 

 ちなみに、「こちら側に飛んで来た」というのはかなり被害妄想に近い。たまたま飛んで来た方向が自分だっただけで、何も攻撃しようとして飛びかかったわけではない。

 

 それから、「ゴキブリ駆除剤」の CM内では、寝ているところを襲いに行くシーンも時々見受けられるが、それこそ清潔にしていれば寄ってくることもない。

 

 まあ恐怖訴求型の広告であるため、マー ケティングとしては正しいかもしれないが、少し過剰であり、その「刷り込み」こそが「ゴキブリ嫌い」の大きな要因だと考える。(あの広告を見るたびに、「お前の顔面はどんだけ汚ぇんだ」と思ってしまう)

 

 さて、だいたい文字数がいい具合に稼げたので、今回はこの辺で終わっていこうと思います。

 

 それではまた明日!

 

 追記:ゴキブリに関する簡単なアンケートを実施しているので、協力してくれると飛んで喜びます。↓

卒論「ゴキブリ」に関するアンケート

 


[生き物飼育]クロアゲハの羽化シーンをタイムラプスで撮ってみた!(提供佐々木颯太様)

 

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